当院の歯内療法とは ― 診療哲学・専門性 ―
歯内療法(根管治療)は、単に「神経を取る治療」ではありません。歯の内部に存在する感染源を的確に除去し、再感染を防ぎ、その歯をできる限り長く機能させ続けるための高度な保存治療です。当院では歯内療法を一処置として扱うのではなく、「歯を残すための最終防衛線」と位置づけ、診断・設備・治療手技・治療設計のすべてを歯内療法に最適化した体制で診療を行っています。
歯内療法とは何か ―「根管治療は成功しにくい」という誤解―
根管治療は「何度も通院が必要」「再発しやすい」「最終的に抜歯になることが多い」といった印象を持たれがちです。しかし、これらの多くは歯内療法そのものの限界ではなく、診断精度や治療環境、専門性の差によって生じている問題です。本来の歯内療法は、正確な診断、根管形態の把握、無菌的処置、十分な洗浄と封鎖、適切な経過観察が揃えば、歯を長期に保存できる可能性の高い治療分野です。当院は、その本来あるべき歯内療法を専門院として提供しています。
当院が考える「歯を残す」という考え方
歯を残すとは、単に抜歯を回避することではありません。痛みなく噛める状態を維持できること、再治療を繰り返さないこと、将来的な補綴や咬合との調和まで見据えることが重要です。当院では、成功率が低いと判断される治療を無理に行うことはせず、反対に他院で「抜歯しかない」と言われた歯であっても、科学的根拠があれば保存の可能性を最後まで検討します。極端な判断を避け、根拠に基づいた治療選択を重視しています。
歯内療法に特化する理由
歯内療法は歯科治療の中でも特に、視野の確保、ミクロン単位の操作、根管形態に関する知識、材料や機器への深い理解が求められる分野です。当院では、むし歯治療・入れ歯・矯正・インプラントなどを広く行うのではなく、歯内療法に診療資源を集中させています。これにより、診断から治療まで一貫した判断が可能となり、再治療や難治症例にも対応できる専門体制を構築しています。
診断を最重視する理由
歯内療法において最も重要なのは治療技術そのものではなく、「診断」です。痛みの原因が本当に歯髄や根尖にあるのか、再治療が必要なのか、外科的歯内療法の適応なのか、あるいは保存が困難なのか――これらを誤れば、どれほど丁寧な治療を行っても結果には結びつきません。当院では歯科用CT、臨床所見、症状の経過、既往歴を総合的に評価し、治療開始前に治療戦略を明確にします。
再治療・難治症例への対応
当院を受診される患者様の多くは、過去に根管治療を受けた歯が再発した、何度治療しても治らない、抜歯を勧められたといった経緯をお持ちです。再治療では、見逃されていた根管、不十分な洗浄や封鎖、破折器具、穿孔、外部吸収、垂直性歯根破折など、複数の要因が重なっていることも少なくありません。当院では再治療や難治症例を前提とした診断と治療計画を立案し、症例ごとに最適なアプローチを選択します。
歯内療法は「最後の治療」であるべき
根管治療は、何度も繰り返す治療ではありません。当院が目指すのは「その歯にとって、ここが最後の治療の場になること」です。そのために、必要な設備や時間、治療工程を惜しまず、治療の妥協をしない姿勢を貫いています。一方で、保存が困難と判断される場合には、その理由と根拠を丁寧に説明し、患者様が納得したうえで次の選択を行えるよう支援します。
