歯根破折(垂直・水平)
歯根破折(しこんはせつ)とは、歯の根にひび割れ、あるいは完全な破折が生じている状態を指します。特に根管治療後の歯に発生しやすく、「原因不明の痛み」「何度治療しても治らない」「歯ぐきの腫れや膿を繰り返す」といった症状の背景に隠れていることが少なくありません。当院では、歯根破折の有無と種類を精密に診断し、保存の可能性を最後まで検討します。
歯根破折とは
歯根破折は、破折の方向や位置によって予後や治療方針が大きく異なります。大きく分けて垂直性歯根破折と水平性歯根破折の2種類があります。
垂直性歯根破折
歯の根が縦方向に割れる破折で、根管治療後の歯に多く見られます。レントゲンでは分かりにくく、長期間「原因不明」とされるケースも少なくありません。
水平性歯根破折
歯の根が横方向に折れる破折で、外傷(転倒・打撲)によって起こることが多いのが特徴です。破折部位によっては、歯の保存が可能な場合もあります。
主な症状
- 噛むとピンポイントで痛む
- 歯ぐきが周期的に腫れる・膿が出る
- 治療後しばらくしてから違和感や痛みが出る
- レントゲンでは原因がはっきりしない
- 症状が出たり消えたりを繰り返す
なぜ歯根破折が起こるのか
歯根破折は、単一の原因ではなく、複数の因子が重なって発生します。
- 神経を取った歯の脆弱化
- 過度な咬合力・歯ぎしり
- ポスト・コアによる応力集中
- 歯質の削りすぎ
- 長期間の使用による疲労
診断が難しい理由
特に垂直性歯根破折は、通常のレントゲンでは確認できないことが多く、見逃されやすい疾患です。当院では以下を組み合わせて診断します。
- 症状の経過と再発パターンの分析
- 歯周ポケットの局所的な深さ
- 歯科用CTによる三次元評価
- マイクロスコープによる直接観察
治療方針と保存の可能性
歯根破折の治療では、「すぐに抜歯」ではなく、保存できる可能性があるかどうかを正確に見極めることが重要です。
垂直性歯根破折の場合
多くの場合、予後は厳しいですが、破折の位置や範囲によっては外科的歯内療法や意図的再植術など、専門的手法で保存を検討できるケースもあります。
水平性歯根破折の場合
破折部位が根の先端寄りであれば、歯の固定や経過観察により保存できる可能性が比較的高くなります。
放置した場合のリスク
歯根破折を放置すると、炎症や感染が周囲骨に広がり、顎骨の吸収が進行します。結果として、インプラントやブリッジ治療がより難しくなることもあります。
よくある質問
- Q. 歯根破折は必ず抜歯になりますか?
- A. すべてが抜歯になるわけではありません。
破折の種類・位置・範囲によっては、
保存可能なケースもあります。 - Q. CTで必ず分かりますか?
- A. CTは非常に有用ですが、
それでも確定が難しい場合があります。
症状と臨床所見を総合して判断します。 - Q. 他院で原因不明と言われましたが診てもらえますか?
- A. はい。
歯根破折が疑われるケースこそ、
歯内療法専門医による評価が重要です。
