異物迷入根管

異物迷入根管とは、根管内に本来存在しない器具・材料・異物が入り込み、感染や炎症、治療失敗の原因となっている状態を指します。代表的なものには、破折した治療器具、仮封材、充填材の逸脱、まれに綿栓や異物片などが含まれます。当院では、異物の種類・位置・周囲組織への影響を精密に診断し、歯の保存を最優先に治療方針を決定します。

異物迷入根管とは

根管治療は極めて細く複雑な空間を扱う治療であり、高度な操作精度が求められます。その過程で器具破折や材料逸脱が起こると、根管内の清掃・消毒が妨げられ、感染が残存・拡大する原因となります。

主な異物の種類

  • 破折したファイル・リーマーなどの治療器具
  • 根管充填材の過剰逸出
  • 仮封材・接着材の迷入
  • 金属片・異物片
  • 過去治療時の残留物

主な症状

  • 治療後も痛みや違和感が続く
  • 噛むと響くような痛み
  • 歯ぐきの腫れ・膿の排出
  • レントゲンやCTで異物が確認される
  • 長期間治療が完了しない

診断のポイント

異物迷入根管の診断では、異物の位置・種類・周囲の感染状態を正確に把握することが不可欠です。

  • デンタルX線による金属異物の確認
  • 歯科用CTによる三次元的評価
  • 根尖病変や歯根破折との鑑別
  • 症状の経過と治療履歴の分析

治療方針

異物迷入根管の治療は、無理に除去するかどうかの判断が極めて重要です。当院では、歯の保存可能性とリスクを慎重に評価し、最適な方法を選択します。

主な対応方法

  • マイクロスコープ下での異物除去
  • 異物を回避した再根管治療
  • 外科的歯内療法による対応
  • 保存不可能と判断される場合の代替提案

放置した場合のリスク

異物迷入根管を放置すると、感染の慢性化や根尖病変の拡大を招き、歯の保存が困難になる可能性があります。早期に歯内療法専門医の診断を受けることが重要です。