保険根管治療と自費根管治療の違い
根管治療には「保険診療」と「自費診療(自由診療)」という二つの制度上の枠組みがあります。どちらが良い・悪いという単純な話ではありませんが、治療に使える時間・工程・材料・診断精度には明確な違いがあります。ここでは、患者さまが納得して治療を選択できるよう、その違いを正確にご説明します。
保険根管治療の位置づけ
保険根管治療は、国の制度として「最低限必要な歯科医療」を広く国民に提供するための仕組みです。一般的な症例に対して、一定の治療結果を目指す設計になっています。
- 治療時間・工程が制度上制限されている
- 使用できる材料・器具に制約がある
- 1回あたりの診療時間が短くなりやすい
- 標準的・平均的症例への対応が前提
自費根管治療の位置づけ
自費根管治療は、制度上の制限を受けずに治療の質を最大化することを目的とした診療です。症例ごとに必要な時間・工程・材料を最適化できる点が大きな特徴です。
- 十分な診断・治療時間を確保できる
- 最新の材料・器具・設備を制限なく使用可能
- 難症例・再治療・偶発症にも対応しやすい
- 長期的な予後を見据えた治療設計が可能
診断精度の違い
根管治療では、診断の精度が結果を大きく左右します。自費診療では、診断に十分な時間と設備を投入できます。
- 歯科用CTによる三次元診断
- マイクロスコープ下での精密検査
- 根管形態・亀裂・病変の詳細評価
治療工程・感染対策の違い
根管治療は、感染制御が本質です。自費根管治療では、各工程の精度を高めるための設計が可能です。
- ラバーダム防湿の徹底
- 洗浄・消毒プロトコルの個別最適化
- マイクロスコープ下での処置
- MTA・バイオセラミック材料の使用
成功率・予後への影響
治療の成功率は、「どこまで感染源を除去できたか」「再感染をどれだけ防げたか」に大きく依存します。自費根管治療は、長期的な歯の保存を目標に設計されています。
費用の違いについて
自費診療では費用負担が生じますが、その費用には時間・技術・設備・材料・再発リスク低減が含まれています。短期的な費用だけでなく、再治療・抜歯・補綴まで含めた長期的視点での判断が重要です。
どちらを選ぶべきか
症例の難易度や患者さまの価値観によって、最適な選択は異なります。軽度で単純な症例では保険診療が適している場合もあります。一方で、再治療や難症例では、自費根管治療が合理的な選択となることがあります。
当院が自費専門である理由
当院は歯内療法に特化した専門クリニックとして、治療の質を制度に左右されない環境で提供するため、自費診療専門という形を選択しています。それは「高い治療」を提供するためではなく、必要な治療を、必要な形で行うためです。
