一般歯科と歯内療法専門医の違い
根管治療は、ほとんどの歯科医院で行われている治療の一つです。しかし同じ「根管治療」という名称であっても、一般歯科で行う治療と歯内療法専門医が行う治療とでは、診断の深さ・治療工程・到達目標が大きく異なります。ここでは、その違いを分かりやすくご説明します。

一般歯科の役割
一般歯科は、むし歯・歯周病・補綴・小児歯科など、幅広い診療を担う「かかりつけ医」として重要な役割を果たしています。根管治療もその一部として行われるため、限られた時間と設備の中で治療を完結させる必要があります。
- 幅広い診療領域を一人の歯科医師が担当
- 根管治療は日常診療の一工程
- 保険診療が中心
- 標準的症例への対応が主
歯内療法専門医の立ち位置
歯内療法専門医は、根管治療・歯髄保存・再治療・外科的歯内療法など、歯内療法分野に特化した専門家です。当院では、診療のすべてを歯内療法に集中させています。
- 診療分野を歯内療法に限定
- 難症例・再治療・偶発症への対応を前提
- 専門医資格・研究・教育経験に基づく診断
- 自由診療による治療設計
診断精度の違い
歯内療法では、診断の精度が治療結果を大きく左右します。一般歯科では二次元レントゲンが中心となる一方、専門医は三次元的診断と拡大視野を前提に診断を行います。
- 歯科用CTによる三次元評価
- マイクロスコープ下での歯質・亀裂・根管評価
- 症状と画像所見の整合性確認
治療工程・精度の違い
根管治療は「神経を取る」処置ではなく、感染源を制御し、再感染を防ぐ精密医療です。専門医は各工程の精度を最大化するため、時間・器具・材料に制限を設けません。
- マイクロスコープ下での根管探索・形成
- 洗浄・消毒プロトコルの個別最適化
- MTA・バイオセラミック材料の適切使用
- 再感染を防ぐ封鎖設計
対応できる症例範囲の違い
一般歯科では対応が難しい症例でも、専門医であれば治療選択肢が広がる場合があります。
- 再根管治療・難治性根尖病変
- 破折ファイル・穿孔など偶発症
- 歯根端切除・意図的再植
- 歯根破折・クラックトゥースの精査
治療ゴールの違い
一般歯科では「症状を抑える」「被せ物まで終える」ことがゴールになる場合が多いのに対し、歯内療法専門医は歯を長期に機能させることを治療ゴールとします。
どちらが優れているという話ではありません
一般歯科と歯内療法専門医は、優劣ではなく役割が異なります。日常的な治療は一般歯科で行い、難症例や再治療は専門医が担うことで、患者さまにとって最善の結果につながります。
専門医への相談を検討すべきタイミング
- 根管治療後も痛み・腫れが改善しない
- 再治療を繰り返している
- 抜歯や大学病院を勧められた
- 歯を残せるか専門的判断を知りたい
