返書・治療報告について

当院では、歯科医師の先生方との医療連携において、返書(治療報告書)を最重要コミュニケーションと位置づけています。歯内療法は治療内容が専門的・不可逆的であるからこそ、「何を診断し、何を行い、どのような状態で治療を終えたのか」を明確に共有することが不可欠です。本ページでは、当院の返書・治療報告の考え方と具体的な内容についてご説明します。

返書作成における基本姿勢

当院の返書は、単なる形式的な報告ではなく、紹介元の先生がそのまま次の診療判断に使える資料であることを目的としています。治療の成否だけでなく、判断に至った根拠や限界についても正直に記載します。

  • 専門用語は使用しつつも、論点が明確な記載
  • 曖昧な表現を避け、事実と評価を分けて記載
  • 今後の補綴・経過観察に直結する情報を重視

返書に記載する主な内容

1. 診断内容

初診時の主訴、臨床所見、画像診断(CT所見を含む)をもとに、最終的な診断名と病態評価を記載します。鑑別診断を行った場合は、その判断理由も簡潔に補足します。

2. 治療方針と適応判断

なぜ非外科的治療を選択したのか、あるいは外科的歯内療法を選択したのかなど、治療方針決定の背景を記載します。保存可否の判断や、成功率・限界についても明示します。

3. 実施した治療内容

治療回数、治療手技の概要、マイクロスコープ・歯科用CT・レーザー等の使用有無、根管洗浄・充填方法について記載します。

  • 再根管治療・外科的歯内療法の別
  • 偶発症(穿孔・破折器具等)の有無と対応
  • 特記すべき解剖学的・病理学的所見

4. 使用材料・機器

MTA、バイオセラミックシーラー等、予後に影響する主要材料については明確に記載します。将来的な再治療や経過観察の際に重要な情報となるため、省略せず記録します。

5. 治療結果と予後評価

治療終了時点での臨床症状の変化、画像所見、予後予測について記載します。完治と判断できない場合は、その理由と今後想定される経過についても正直に記載します。

6. 補綴処置・経過観察への提案

補綴処置のタイミングや注意点、咬合・フェルール確保に関する留意事項など、主治医の先生が次の一手を判断しやすい情報を添えます。

返書のタイミング

原則として、歯内療法終了後速やかに返書を作成し、治療完了のタイミングでお送りします。治療途中で重要な判断変更が生じた場合には、必要に応じて中間報告を行います。

情報共有と主治医制の尊重

当院は、患者さまの主治医はあくまで紹介元の先生であるという立場を堅持しています。治療後の管理・補綴・長期フォローに関して、当院が介入することはありません。返書は、その前提を守るための重要なツールです。

安心してご紹介いただくために

返書・治療報告の質は、紹介元の先生との信頼関係そのものだと考えています。「内容が明確で、次の診療がしやすい」そう感じていただける返書を、今後も継続して提供していきます。